【生物勉強法】偏差値44から京大に合格した効率的な勉強法

生物
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柏村 真至

柏村 真至

京都大学文学部卒。浪人が決まった春、受験の達人南極老人に出会い、逆転合格を果たす。『E判定からの大逆転勉強法』などを執筆し、一躍カリスマ講師に。南極老人いわく「彼ほど完璧に大逆転勉強法を実践した受験生はいない。さらに〝戦闘値〟がアップしたスーパー大逆転勉強法と出会える受験生は幸運だ」と。

<他科目の記事はこちら>

>>【化学勉強法】偏差値44から東大京大医学部に合格する方法

生物は、半分捨ててください!

話者
ゆばーん
先生!わたし生物好きなんですけど、時間をかけている割に、全然成績上がっていないんですよね。
話者
南極老人
生物の泥沼にはまっているようだね?生物は「半分捨てる」ことがだいじなんじゃよ。
話者
ゆばーん
ええっっ!!捨てちゃうって??そんなことできないわ!!
話者
南極老人
落ち着くのじゃ!今から紹介する勉強法で、生物を効率よく勉強することができるのだよ。基本の問題をしっかりとろう。生物は応用では差がつかないのじゃ。深く勉強しすぎると、逆に成績が下がってしまうからね。
話者
ゆばーん
そうなんですね!私、難しい問題ばかり、必死に勉強していました。ぜひ、効率のいい勉強法を教えてください!


生物勉強法を動画で解説





南極老人いわく、「生物は、半分捨ててください」。
「エッ!、いきなり捨てろって、どういうこと……?」と驚かれたあなた。大丈夫ですよ。
安心して読み進めてください。





実際に、この言葉の意味をちゃんと理解した、
南極老人の生徒らは、センター試験9割、偏差値70を達成していますから。




その理由は、最後まで読んでもらえればわかります。この言葉は、実に奥が深いんです。
この言葉の意味が、心から理解できたら、あなたは間違いなく合格するでしょう。
「生物は、半分捨ててください」は、受験に勝つ魔法の言葉なのです。



序盤の説明に入る前に、

この「生物は、半分捨ててください」の真意について、
あなたに話さなければなりません。


すでにご存じでしょうが、生物は、化学・物理・地学に比べて、
とにかく暗記量が圧倒的に多い科目です。
しかも、応用問題が多いので、単に暗記しただけでは高得点は取れません。





そのため、勉強時間をかけた割には、結果につながりにくい、





という傾向があります。

だからと言って「生物を選んではいけない」
ということではありません。






①くれぐれも、生物のドロ沼にハマってはいけないよ、という意味
(これにハマル人が多い。生物は内容が深すぎるので、ハマルと逆に成績が下がります)
②応用では差はつかないよ、という意味
基本で差がつく! 基本とは何か? ぜひ、最後まで読んでください)
③時間をかけずに効率よく勉強したほうが、むしろ、点数は取りやすいよ、という意味
効率よく勉強すれば、センターで8割~9割はとれるよ、という意味
⑤ しかも、二次・私大の論述にも強くなるよ、という意味
⑥理系で、生物と化学を選択する場合は、化学で高得点を目指すべきだよ、という意味
⑦文系で、センター生物基礎・生物を選択の場合は、英・数・国で点数を稼ぎなさい、という意味





これらが、「生物は、半分捨ててください」という言葉の意味です。


受験全体を眺めた言葉なのです。
では、「効率よく勉強する」とは、どういう勉強方法なのでしょうか?
それが、これから説明する、南極流勉強法です。




どうすれば、効率よく勉強できるのか、というところに関心を向けるようにしてください。




序盤〜〝生物(せいぶつ)脳(のう)〞を目覚めさせる

では、序盤の説明をします。序盤では、みなさんの"生物脳"を作ることが目標です。
"生物脳"について、具体的に言いましょう。






〔"生物脳"とは?〕
・(教科書レベルの)生物用語を正確に暗記している
・ (教科書レベルの)生物用語の説明(論述)ができる(例 : 触媒(しょくばい)とは? 刷(す)り込みとは?)
・生物(生命)の神秘について、「なぜ?」「へえ~」「すごい!」という関心がある
・(理系の生物選択者は)化学の知識があるのが理想

これを、ある程度できるようにするのが序盤の目標です。

  • 『カラー版 忘れてしまった高校の生物を復習する本』大森徹・著( 中経出版)
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この本を3回以上読んで、全体像をつかんでください。
すでに得意で、全体像がある程度つかめている人でも、
この本は一読に値する素晴らしい本ですから、ぜひ読んでください。
さあ、それが終わりしだい、知識を整理していきます。



高得点を取るために、最初にやるべきこと

「センター生物がニガテです…」
そういう受験生に、どの分野がニガテなのかを聞いてみると、「考察問題と遺伝」と答えが返ってきます。
解答用紙を見てみると、たしかに考察問題と遺伝の問題でよく間違えています。



その結果、50点ほど(100点満点)の得点になってしまっているのです。
そんな受験生が、得点アップのために最初にやるべきことは何か?

ほとんどの受験生は、早速「考察問題」・「遺伝」の勉強に取りかかろうとします。




しかし、ちょっと待ってください!



短期間で成績を上げたいなら、やるべき勉強は「考察問題」・「遺伝」ではありません。
たしかに、考察問題も遺伝も毎年20点分ほど出題されています。


これらがニガテだということは非常に不利です。

もちろん、しっかりと対策はするべきではあるのですが、
それ以前に基礎知識についての問題は全問正解するぐらいのつもりでいることが大切です。




これは、1冊の教材を完ぺきに仕上げ、過去問の復習を丁寧に進めていけば、意外と時間はかかりません。
まず「考察問題」・「遺伝」以外の60点を確実にゲットすることが、安定して高得点を取るためには必要なのです。



生物がニガテな人ほど、基礎知識がうろ覚えです。
そして、失点しています。
だけど、基礎知識を完ぺきにしようとせず、
「考察問題」・「遺伝」の勉強に取りかかるのです。
もう一度言います。






まず、基礎知識を完ぺきに仕上げることです。







そうすれば、60点以上は安定して得点できるようになります。
この段階で、「考察問題」・「遺伝」の勉強をしていけば、成績は加速度的に上がっていきます。



中盤〜知識を固めて問題演習


  • 『生物基礎の必修整理ノート 新課程版』(文英堂)
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この教材を使う場合は、暗記用とテスト用として、同じものを2冊買うようにしてくださいね。
そのうちの1冊は、はじめから解答を書き込んでいきます。
穴埋め形式の解答欄のところに、解答を見ながら、
赤ペンで解答欄を書き込んでいくのです。こちらは暗記用です。




テスト用のもう1冊には、解答を書き込まないで、


◎ …… 完ぺき
○ …… できる、覚えている
△ …… わかるけど、できない、覚えていない
× …… わからない


というふうに、仕分けて記号を書き込みます。こちらはテスト用です。




テストするときは、もう1冊(暗記用)を横に置いて、同じページを広げて確認します。
×は、基本的には後回しにします。後で、時間を見つけて教材で調べるか、質問しましょう。

△、○のところを中心に、すべての問題に◎がつくように、最低3回以上、
できれば、5回、6回、7回ぐらい反復練習します。
苦手な分野であれば、8回以上やっていきましょう。



数学と同じように、「分けていく」ようにすると、何度も反復練習できます。
「紙に書きながら」の復習と「書かずに口頭で声に出すだけ」の
復習を合計10回以上できれば、基本知識はほぼ完成です。


いかがですか? ここは大変重要ですので、もう少し詳しく説明しますね。




『必修整理ノート』は、分厚い教材というわけではありません。
しかし、だらだらやると、一通り終わるのに4カ月以上かかってしまいます。
そのペースで続けると、反復練習できる回数は、3回が限界です。

しかも、そのペースでは、実戦演習する時間がありません。早く終わらせて、
何度も反復練習して、実戦演習するために、

あまり考えこまず、
パッパッパッと仕分けていきましょう。





完ぺきなら、◎
できたら、○
すぐにできなかったら、△
わかるけど、できなかったら、△
解答を読んだら、「ああ、そうだった」とすぐにわかる。でも、できない。覚えてないのは、△です。




この仕分け作業をするときに、考えこんでしまうと進みません。
ちょっと自信がない場合、迷ってしまった場合、△をつけておくと時間のロスがありません。


とにかく高速で、何度も復習するほうが潜在意識に入ります。
ゆっくりと正確に復習を3回するよりも、少々、雑でも、
その2〜3倍の速さで6〜9回復習したほうが、はるかに入ります。


どれだけていねいに復習したか、ということよりも、どれだけ速く、どれだけ反復練習できるか、
ということに意識を向けてください。

スピードは、最終的な仕上がり具合に直結します。


回数を重ねるうちに、復習の質が上がります。
「こんなに雑でも大丈夫だろうか?」
と思っても心配しないでください。これで基本的な知識が網羅(もうら)されます。



・必ず、周囲に聞こえないぐらい小さな声でもいいから、言葉を声に出すこと
・3回のうち、1回は、実際に紙に書くこと





これらの約束を守って、基本的な図・表なども、序盤で覚えてしまいましょう
(序盤で覚えても、中盤、終盤でも、忘れないように反復練習します)。




勉強はしているけど、成績が伸びない……、たくさん覚えてはいるけど、パッとしない……、
偏差値は60ぐらいあるけど、70まで到達しない……、そういう人は、

基本的な図・表が、「書(描)けない」「正確に説明できない」という傾向があります。



かなり偏差値が高い受験生でも、そうなのです。
ですから、この段階でしっかりと"生物脳"の基礎工事ができていると、
生物・生物基礎は、半分捨てているにもかかわらず、そうとう高いレベルにまで上がれます。

さらにここからの勉強法については、生物基礎と生物に分けて解説していきましょう。






生物基礎と生物の戦略

 

〈生物基礎の場合〉

『生物基礎の必修整理ノート』の反復練習をしながら、
センター試験の過去問演習に進んでいきましょう。


15 年分ぐらいの過去問(教学社の赤本もしくは河合塾の黒本)を買ってきて、
ある程度時間を決めて、解きまくるのです。(生物基礎に含まれない問題は除いてかまいません)時間のある受験生は、


『センター試験 生物基礎の点数が面白いほどとれる本』(中経出版)を同時に進めると、
センター生物基礎のコツが体になじんできます。


『必修整理ノート』の完成度に比例して、だんだん点数がとれるようになってくるはずです。
間違えた問題も、解説を読めばわかるようになってきます。






センター試験で生物基礎を受験する場合は、以下の流れで勉強を進めてください。
  • 『カラー版 忘れてしまった高校の生物を復習する本』
   ↓
  • 『生物基礎の必修整理ノート』
   ↓
  • 『センター試験 生物基礎の点数が面白いほどとれる本』
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〈生物を選ぶ場合〉

  • 『シグマ基本問題集 生物 (基本問題集 新課程版)』文永堂編集部(文永堂)
  • 『生物(生物基礎・生物)基礎問題精講』大森徹・著(旺文社)
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生物(生物基礎・生物)基礎問題精講 三訂版
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自分に合った教材を選んで、勉強を進めていってください。実際に本屋さんで中身を直接見てから選ぶことをオススメします。
教材は次のように反復練習してみてください。


1回目 自力で解いてみる → 答え合わせする → 解説を読む → 2回目へ
2回目 セルフレクチャー → 解説を読み復習 → 3回目へ
3回目 自力で解いてみる → 答え合わせする → 解説を読む → 4回目へ
4回目 セルフレクチャー → 解説を読み復習 → 5回目へ
5回目 自力で解いてみる → 答え合わせする → 解説を読む → 6回目へ
6回目 セルフレクチャー → 解説を読み復習 → 7回目へ
7回目 右脳読み
8回目 右脳読み
9回目 右脳読み

要は、これらを反復練習することで、"生物脳"に目覚めて、
終盤にバァーンと勝ちパターンにもっていければよいのです。
勝ちパターンとは、何でしょう?




ちょっとその前に、逆の負けパターンを見てみましょう。

・取れるところで失点してしまう
・基本ができていない
・完ぺきにマスターした本がない

負けパターンにはなりたくないですね、勝ちパターンとは、その反対です。





終盤〜センター試験を攻略せよ


近年のセンター試験では「考察実験」という問題が増えています。


考察実験問題が、それぞれの大問に出題されていることが少なくありません。
考察問題は基礎知識を必要としないため、どの受験生も同じ条件で解かなければなりません。

努力が点数に結びつきにくい問題なので、ひとまず考察問題は「半分、捨てましょう」。
(この気軽さが、潜在意識にプラスに働き、結果的に点数に結びつくのです!)



もし考察問題が難しくて手が出ないということがあっても、気にする必要はありません。むしろ、センター試験で絶対に落としてはいけない問題は、考察問題以外の基本問題です。



しかも、これは終盤のところで解説しますが、基本問題の反復練習と過去問の演習を往復することで、
考察問題に対する"生物脳"が養われます。
基本問題さえしっかり得点をゲットできれば、生物で大きく失敗することはありません。
80点ぐらいなら、しっかりとした基礎知識だけで取ることができます。




まずは、取れるところから点数をとるのが、入試本番の基本戦略です。

なぜなら、入試問題の8割は、基本〜標準レベルで、
いわば「点数の取れる問題」だからです。



「点数の取れない問題」(残りの2割)に気をとられないようにしましょう。
そっちに気をとられると、「底なし沼」にハマッちゃいますよ。




最高の勉強法は教科書をマスターすること


受験勉強のコツは、常に「序盤」と「終盤」を頭に入れて勉強することです。
これをゴールからの発想、といいます。センター試験の場合でも、
過去問を解く「終盤」こそ「序盤」の基礎を軽視してはいけません。

各大問の中で、もし2問以上間違えるようなことがあれば、
『必修整理ノート』で弱点の補強をしましょう。




センター過去問←→『必修整理ノート』
二次試験過去問←→序盤~中盤で反復練習したこと
私大入試過去問←→序盤~中盤で反復練習したこと




このように序盤と終盤を往復するのです。基礎だけでも点数は上がりません。
かといって、過去問演習ばかりでも点数は上がりません。

「基礎の反復練習」と「過去問演習」との往復で分かった、
弱点を補強することにより、あなたの得点はみるみるうちに上がっていくでしょう。



これは、生物だけに限った話ではありません。
化学でも、物理でも、社会でも、ほとんどすべての教科に通じるコツです。

さらに生物・生物基礎では、細胞分裂・発生など、
図で覚えなければならない分野が少なくありません。

このような分野は、ぜひ自分で図を書(描)いて覚えましょう。
細胞分裂、減数分裂、顕微鏡、植物(動物)の組織、ウニの発生、カエルの発生など、数多くあります。




これらを何も見ずにパッと白紙に書けるようにすることです。その練習をしたほうが、だらだらと授業を聞くよりも、
いろいろな教材を解き散らかすよりも、よほど解答力が上がります。どうしても覚えられない場合は、

・大きな紙に書(描)いてみる
・色鉛筆で色塗りをしてみる
・その図を見たことがない人に、ちゃんと伝わるように、口頭で説明してみるといった方法を使うと、覚えやすくなります。

さらに、自分で書(描)いた図・表を簡潔にわかりやすく文字で説明することができるようになれば、
あかじ2次試験の論述対策にもなります(これは効果的です!)。






さて、ここで、受験生の陥(おちい)りやすい落とし穴について述べます。
何か1冊、教材を決めて解いていく際に、必ずと言っていいほど起きてしまうのが「教材の浮気」です。
どんな教材でも1〜2回も解けば飽きてしまうからです。


しかし、それでは成績は伸びません。南極流では「3回繰り返した」というのは、
まだまだ序の口で、5〜6回繰り返すのが普通です。
「教材の浮気」をする受験生は、新しい教材を買ってきて、ちょっと解いては飽き、
また新しいのを解いては飽きるということを繰り返すのです。その結果、膨大な時間を消費していまいます。


また、そういう受験生にかぎって、「この本は、有名予備校講師の本だから間違いない……」というような勘違いをしてしまうのです。



本当は、どの本が良いとか、どの本が悪いとかの差は、それほどありません。迷って時間を消費し、
ほかの教科の勉強時間も削ってしまい、


「理科はできるようになったけど、
英・数・国はまだ仕上がっていない……」というのでは、
シャレになりません
(社会でも事情は同じです。ゼッタイ、やりすぎてはいけません!)。



実は、生物において、「これさえマスターしたら、合格できない大学はない」というほどの『究極の教材』があるのです。
その『究極の教材』とは何か? もったいぶらずに言いましょう。

ズバリ『教科書』です。
生物基礎・生物の勉強において最も大切なことは、教科書を隅々まで完ぺきに学習することです。
そのために、問題集を解いたり、参考書を読んだり、授業を聞いたりしているわけです。



センター試験でも、ほとんどの二次試験でも、教科書に書いてあることが本当にマスターできたら、それだけで十分です。
終盤では、教科書という基本に「里帰り」して勉強するのです。


市販の教材は、所詮(しょせん)、教科書の解説に過ぎません。出題されるのは「教科書」からなのです。
しかし、そんなことを言うと、「最近の入試問題は、教科書の範囲を超えている……」とか、
「教科書だけでは足りない……」とか、「教科書だけでマスターできたら、誰も苦労しない……」
というような声が聞こえてきそうですね。
でも、難問をよく見てください。


必ず、教科書の範囲の知識で解けるように、誘導やヒントがついています。
それに……。できてもできなくても、たいした差がつかないような難問や、
合否に影響しないような奇問のために、わざわざ多くの時間を浪費するのはバカげています
(英・国・数が完ぺきなら別ですが、そんな人は、いませんから! )。


だったら、基本問題を確実に正解できるように

・基本教材の反復練習(序盤)
・入試問題の反復練習(中盤)
・過去問の反復練習(終盤)


に力を注ぐべきです。最終的には、教科書をマスターするのです。

教材で勉強していたら、いつのまにか教科書が完ぺきになっていた……。
それが理想です。教材を何冊解いたか、参考書をどれだけ読んだか。


有名講師の授業をどれだけ受けたか、これらのことよりも、教科書をどれだけマスターしたか、
を勉強の進み具合の基準としてください。




そもそも、教科書というのは、すでに基本知識が頭に入った状態で読むと、内容がスイスイ吸収できます。
教材を解いていて、「なぜだろう?」という疑問が煮詰まっていればいるほど、
教科書を読むと、内容がスイスイ入ってきます
(ここは重要です!)。

教科書を読んでいて、ハッキリしないところが少しでもあれば、そこは弱点になっているということです。
弱点は、問題演習によって補ってください。



・生物用語をきちんと説明できるか?
・図、表、実験の意味が理解できているか?



これらに注目してください。
その際には、3段階に分けてチェックしましょう。



①キーワードがちゃんと暗記できているか?
②30字程度で説明できるか?
③100字程度で説明できるか?




教科書どおりの説明ができれば、満点です。それ以上は必要ありません。ですから、

・センター過去問←→教科書
・二次試験過去問←→教科書
・私大入試過去問←→教科書

という往復が実現できれば、最もシンプル、かつ、ムダのない勉強法になります。
いつも、そこをゴールに見据(みす)えれば、生物でコケることはありませんし、



生物のやり過ぎで、英・数・国・化が勉強不足、という最悪のパターンにも陥ることもありません。
教科書に始まり、教科書に終わる。これこそ生物勉強法の真髄(しんずい)です。







生物嫌いの受験生へ


「もう無理、フックとレーウェンフックが別の人物だなんて。フック家のレーウェンさんじゃないの?」

そうです、フックはイギリスの科学者、レーウェンフックはオランダの科学者ですから別人ですね。

フックは物理系に才覚を表した理系のスーパースターの一人です。

気体の法則でボイルの法則というものが知られていますが、実際に実験道具を作って苦労して結果を出したのはフックです。

フックはばねの伸びについての研究でも有名です。






そういう手先が器用なフックがレンズを磨いて、レンズや鏡を組み合わせて作り出した道具が顕微鏡です。

フックは、コルクの薄片を拡大して見たら小部屋に区切られていたよと報告しておしまいです。

物理系のスーパースターが作り出した新しい観察機器を使って、
生物の世界を調べようとした、生物系の科学者がレーウェンフックなんです。

だからフックとレーウェンフックは別人なんです。






どうでしょう?頭の中でこんがらがっていた人名が整理できたでしょうか?

生物は暗記科目!と信じて、無理やり暗記に挑んでいませんでしたか?

覚えなくてはならない項目が、他の理科の科目に比べて多いのは事実です。




それは、生物の多様性のためです。

この地球上に、多様な生物が現れたから、われわれヒトがいるのです。

人生で全く出会う可能性のない生き物の発生とか覚えて何の意味があるのだろうと思っているあなたに以下の言葉を贈ります。

「個体発生は系統発生を繰り返す」

受験の生物は、われわれヒトをよりよく知るための入り口なんです。


<他科目の記事はこちら>

>>【化学勉強法】偏差値44から東大京大医学部に合格する方法